くっそつまんない!そのシーンいる?っていう意味不明なシーンが多すぎ。
予告編が一番面白そうだった…。
こんにちは。ムービランナーです。前回に引き続き映画『アドアストラ』の特集をお届け。
第2弾となる本記事では主に同作のレビューを行ないたいと思います。
さっそく結論ですが、意味不明なシーンが多く正直駄作だと思いました。
冒頭に記した嘆きが同作への感想を要約した感じですね。
ツマラナイと感じた点やそう思った背景を僕なりに分析してみました。
これから観る方は一つの意見として参考にしてみてください。
【レビューの前に】『アドアストラ』のざっくりストーリー展開
『アドアストラ』の物語を要約すると太陽系をまたにかけた父と息子の再会を描く作品です。
具体的には以下のように話は進んでいきます。
そう遠くない近未来、大規模なサージ(磁気嵐)が地球を襲う。
この嵐により航空機の墜落や大規模停電が発生。
宇宙飛行士のロイ(ブラッド・ピット)も宇宙観測タワーから落下し重症を負った。
程なくしてロイが所属している宇宙軍から招集を受け、2つの事実が明かされる。
1つ目は、16年前に深宇宙で消息をたった父(トミー・リー・ジョーンズ)が生きていること。
2つ目は、その父親がサージを引き起こした張本人であること…。
クリフォードは地球外生命体の探査プロジェクト『リマ計画』の司令官。
そんな彼がなぜ地球を滅ぼすサージを引き起こしたのか。
軍は事態を収拾するために火星の通信基地から父親にコンタクトを取ってほしいとロイに命ずる。
父と再会するためにロイは地球を旅立つのだが…。
…といった感じです。大枠のストーリー展開からすると良さげな映画そうですよね。
公式サイトでは以下のような文言もあったので僕はかなり期待していました。
衝撃の救出ミッションを描く壮大なスペースアクション超大作
『アドアストラ』は“?”の連続!意味不明なシーンが多すぎる件
ただ、残念ながら思いっきり肩透かしを食らいました。意味不明なシーンがあったためです。
本筋と全く関係ないところで非重要人物が死ぬシーンがやたらあるんですよね。
父親との再会の旅で盛り上がりをつけたかったから、とりあえず加えました感が強いんです。
意味不明なシーン/旅の道中で起きたサル事件
例えば、火星への旅の道中で起きたトラブル。これが本当に意味不明でした…。
火星へ行く途中にノルウェー籍の宇宙ステーションから救難信号を受けて救助に向かうんですよ。
ロイと船長が救助のために宇宙ステーションに潜入するのですが、人の反応は一切なし。
実はステーション内にいた実験動物(マントヒヒ?)が人間を襲っていたんですよね。
マントヒヒが人間を襲ったのはサージの影響でゲージの電子施錠が解かれたからでしょう。
この猿に一緒に救助に向かった船長が餌食となってしまうんですよね。
ロイはなんとか船長を船に戻しますが、時すでに遅し…。帰らぬ人になってしまいます。
文字で書くと重大ハプニングっぽいですよね。
ただ、僕からするとこの展開はまったく盛り上がらなかったんです。
意味不明なワケ/キャラが全く描かれてない船長が死んだから
なぜなら、死亡した船長キャラクターは物語上全くフォーカスされていなかったから。
観客からすると、船長に対しての感情が乗っていないんですよね。
「なんかよくわからないけど、旅の道中で船長が死んだ」
…というレベルの出来事にしか思えないんですよね。たぶんロイも同じ感覚だったと思います。
船長が死ぬ展開にするのなら、ロイと親交の深いキャラとして見せるべきだったと思いますね。
そうすればロイが船長の死に悲しむ図式が生まれ、観客も「あぁ〜(泣)」となったハズです。
例えば、映画『アルマゲドン』でも隕石に向かう旅の途中でトラブルがありました。
シャトルの燃料を給油するために寄った宇宙ステーションで爆発事故が起きるんですよ。
燃料が漏れ出して徐々に火の手が宇宙ステーションに広がっていくシーン。
逃げ惑うのは主役級のキャラクター達です。
これらのキャラ達は映画の冒頭から登場しており、観客はそれぞれの人物に感情を乗せています。
だからこそ宇宙ステーションのトラブルを観て「なんとかシャトルに逃げて!」と思えるワケです。
でも『アドアストラ』にはそれがなかった。
主人公が乗るシャトルの船長がただ死ぬシーンを描いてしまったのです。
意味不明&不必要な展開だなと思ってしまいましたね。
意味不明なワケ/本筋とは全く関わらないトラブル描写だったから
加えて、この救助トラブルが本筋と全く関わっていない点も僕としては意味不明でした。
この救助トラブルで「父の謎が解けるヒントを得られる」といった展開もないんですよ。
ただただ火星に行く途中に寄った宇宙ステーションで船長が死んだというだけなんです。
物語的に旅の道中で苦難を乗り切るという展開はアリだと思います。
しかし、その苦難には物語のコアにつながる展開じゃないといけないと思うんですよね。
でないと展開に必然性を感じられず、観客は「何を観せられているの?」となるから。
救助トラブルのエピソードはまさに「何観せられてるの状態」の悪い見本と言えます。
先ほど出した『アルマゲドン』の宇宙ステーション爆発シーンには必然性しかありません。
隕石に向かうためにシャトルの燃料をステーションで給油する必要がありましたからね。
宇宙ステーションの爆発事故は物語の通過点で起きたトラブルといえるワケです。
だからこそ観客はその展開に感情が乗れるんですよね。
でも『アドアストラ』が描いたあの救助トラブルは本筋とは全く関係ない出来事…。
観客からすると「こんなところで血を流さないでとっとと火星へ行け」って感じなんです。
本当、意味のないシーンだと思いましたね。
『アドアストラ』が駄作と感じた最大の原因は予告編だと思う
こうした意味不明なシーンがあるため、『アドアストラ』は駄作だと感じてしまいましたね。
ただし、駄作だと思った原因を僕なりに分析するとそれだけではないんですよね。
根本には鑑賞前に抱いていた作品のイメージと実際に大きなギャップがあったからだと思います。
僕はリアルな設定で描かれるSFアドベンチャーだと思ったんですよね。
予告編や公式サイトにもこのようなコピーが並んでいましたからね。
- 宇宙に消えた父の<謎>を解かなければ、人類は滅びる——
- 衝撃の救出ミッションを描く壮大なスペースアクション超大作
こういう感じで観たらSFアドベンチャーかと思うじゃないですか。
(『オデッセイ』+『アルマゲドン』)÷『インターステラー』的なイメージです。
ただ実際に観るとイメージにあったSFアドベンチャーというよりかはドキュメンタリーに近い。
壮大な宇宙という舞台で父と息子の再会を描くことをメインにしている作品だったのです。
映画を観始めてから「なんか想像とは違うな…」という思いが強くなっていました。
そのため、違和感のあるシーンに敏感に反応してしまったのだと思います。
もし、ヒューマンドラマ寄りの作品だと知っていたらそこまで違和感なく観れたかもしれません。
配給会社が仕掛けたプロモーションが本作のイメージを大きく変えた悪い例だと思いますね。
これから観る方は本作はヒューマンドキュメンタリー映画だと思って観たほうが良いと思います。
以上、『アドアストラ』特集第2弾でした。
「お前が書いてることよくわかんない!」
「俺はこう思ったぞ!!」と思った方がいましたら、ぜひ投稿お願いします。
コメント
自分も同じように感じました。
船長だけでなく、月で死んだならず者?や中尉、突然フィードアウトした大佐、因縁のあった火星司令官たちもキャラが薄すぎました。
一番印象に残ってるキャラは、奮闘するも船の中に何故か転がってた有毒ガスボンベでお亡くなりになったヨシダさん。
今までのSF舞台である、月、火星、木星あたりまでというのが、海王星になっているのが本作の特徴で見所なんじゃないでしょうか。生身で惑星の輪に突っ込むのも新しい気がします。