こんにちは。ムービーランナーです。
映画『パラサイト』考察特集第二弾は同作のラストシーンについて注目します。
あのラストシーンで様々な疑問、浮かびませんでしたか?
・なぜギウはあの石を川に捨てたのか
・ギウが立てた計画は上手くいくのか
・ラストシーンはどこまで妄想なのか
…といった疑問についてネタバレも交えながら僕なりの考察で解説したいと思います。
「映画『パラサイト』のラストシーンの理解を深めたい」といった方は必見です。
『パラサイト』ネタバレ考察/ラストでギウはなぜ石を川に捨てた?
親友・ミニョクから貰った山水景石を富裕層の象徴と感じていたギウ。
半地下の家が大雨で水没しかけているときもわざわざ持ち出すくらい思い入れがあります。
そんな大切にしている石をネタバレですが、ギウはラストで捨てました。なぜでしょうか。
捨てた理由は「過去との決別」と「父親救出計画」
ギウは「山水景石を鑑賞として楽しめるような生活を送りたい」という強い思いがありました。
この思いをきっかけにしてキム一家のパラサイトを始めています。
パラサイト生活のモチベーションの元になっていたのが、あの石だったと考えられます。
しかし、ダソンの誕生日会で悲劇が起き、パク一家は崩壊しました。
ギウはパラサイトで分不相応な生活を得ようとしたことを悔やんだのではないでしょうか。
そのため、ギウにとってパラサイト生活の発端となった石を捨てたのだと考察します。
加えて、完地下で生きている父を救うため真っ当な方法で金持ちになることを決意しています。
ミニョクから貰った石は憧れの象徴でもあり失敗の証のようなものです。
真っ当は方法で金持ちになって父を救うという決意証明としてあの石を捨てたとのでしょう。
『パラサイト』ネタバレ考察/ギウがラストに立てた計画の行方は?
ラストにおける2つ目の疑問はギウが立てた父親救出計画が上手くいくのかという点です。
ギウは金持ちになって旧キム邸を買って”完地下”にいる父を救い出すと誓いました。
映画自体はギウが計画を立てるところで終わっているため、その後が気になりますよね。
心情的にはギウの計画は成功してほしいと思っています。
しかし、『パラサイト』で散りばめられているメタファーを考えると成功しないでしょう。
理由は避難所にて父がギウに言った以下の台詞です。
計画があるから予定外のことが起こる。計画しなければ予定外のこともない
この台詞の通り、映画に登場するキャラが立てた計画はことごとく失敗しています。
- 金持ちのキム家にパラサイトしようとしたパク一家の計画
- 秘密を知った元家政婦たちを口封じに殺そうとしたギウの計画
- ギウの親友であるミニョクが立てたダ(キム家のJK)への告白計画
『パラサイト』に登場するキャラが立てた計画のその全てが失敗に終わっているのです。
こうした本編のメタファーを踏まえるとギウが立てた父親救出計画も破綻すると考察できます。
そもそも韓国は非常に格差が進んでいます。受験戦争を勝ち残っても就職できません。
その上、執行猶予がついたとは言え、ギウは罪を犯しており殺人犯の息子です。
メタファーうんぬんの前にギウが置かれた状況で社会的に成功するのは難しいと言えます。
『パラサイト』ネタバレ考察/ラストシーンはどこまでギウの妄想?
最後の疑問は『パラサイト』のラストシーンで描かれたギウの妄想の境界線についてです。
「少し考えすぎでは?」と突っ込まれそうですが、少し疑問に残りました。
普通に見れば、ギウの計画、金持ちになって父親と再会を果たすシーンが妄想と思えます。
しかし、ダソンの誕生日会でギウはグンセ(元家政婦の夫)に石で頭を2度打たれています。
映画のラストでは後遺症なのか妹の死に「なんだか笑える」という反応を見せてました。
ギウの脳に障害があることを踏まえると、あのシーンだけが妄想だったのか疑問が残ります。
ラストシーンでの語り手はギウのため、映画や小説でよくある信頼できない語り手なわけです。
父親を救ったという妄想以外も実は妄想だった。…ってことも考えられるんですよね。
例えば、父親がモールス信号でメッセージを送っていることに気づく辺りから妄想とか…。
実際にツイッターでもラストシーンはギウの妄想だったのでは?という投稿がありました。
それならギジョン以外はみんな救われるな、脳の障害も治ったのかは結局よくわからんかった。だからもし障害として残ってたならやっぱ石を返しに行くところもモールス信号も頭おかしくなった人なりに自己完結しようとしたギウのただの妄想になってしまう、、これもググって調べて見よ
— もも¨̮✿ (@sevelovelove) February 17, 2020
てか父親が地下に住み始めたってのも頭打った後の妄想なのでは?それか、もうギウもすでに亡くなってて、亡くなった後の夢物語とゆーか
— 수아 (@__usaka) February 17, 2020
解釈によってはあのラストシーンは全て妄想だったとも言えそうです。
以上、映画『パラサイト』のラストシーンにおけるネタバレ考察特集でした。
今回記した内容はあくまでも僕個人の考察です。
人によってラストシーンの捉え方は変わり、考察も変わっていきます。
「俺はこう思う!」といった意見がありましたら、ぜひコメントしてくれると嬉しいです!
ポン・ジュノ監督作品の『スノーピアサー』なども面白い
ちなみにポン・ジュノ監督は『パラサイト』以外にも格差をテーマにした作品を作ってます。
それが2013年に公開された『スノーピアサー』というアメリカ映画。
『パラサイト』が格差×ブラックコメディなら『スノーピアサー』は格差×SFアクション!
主演はキャプテン・アメリカを演じたクリス・エヴァンス。地味にすごいです(笑)
映画の舞台は、氷河期を迎えた近未来の世界で人類が唯一生存可能な列車。
列車の中では上流階級が貧困層を支配しているというかなり奇抜な設定です。
そんな中、貧困層の一人が逆襲する…というのが大まかなストーリーとなっています。
格差テーマにハマった」「ポン・ジュノ作品を観てみたい」という方はオススメです!
その他、ポン・ジュノ監督による韓国映画の代表作と言われている『殺人の追憶』も良作。
韓国で実際に起きた強姦殺人事件を基に作られた作品です。
陰惨な殺人事件と2人の刑事の軽妙なやりとりが絶妙で魅力を放っていますね。
映画レビューサイト『Filmakers』では5点評価中4となっており高評価を受けています。
どれも古い作品ですので、TSUTAYAやGEOとかなら数百円でレンタルできちゃいます。
ただ、できるのならエンタメにお金かけたくないですよね?
僕はエンタメ好きですが、エンタメ費は節約してその分食費などに当てています。
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