映画『パラサイト』ネタバレ考察/石の意味・メタファーを解説

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アジア映画初のアカデミー賞を受賞したことで『パラサイト』を観に行きました。

ってことで久々のMOVIE RUNNERの特集は映画『パラサイト』の考察をお届けします。

考察特集第一弾は劇中に登場した「石」に注目。

同作は様々なメタファーが散りばめられていると言われています。

ギウの友人ミニョクから貰った山水景石にはどんな意味が込められているのでしょうか。

・石にはどんな意味が込められているの?

・水没しかけた家からギウはなぜあの石を持ち出した?

・避難先にてギウが「石が離れない」と言った真意はなに?

…といった疑問を持っている方に向けて、韓国文化などを踏まえて僕なりの考察を述べます。

「映画『パラサイト』における石の意味が知りたい」といった方は必見です。

既に自分の中で答えがある方は、本記事の考察を比べることで本作の理解が深まるでしょう。

映画『パラサイト』のネタバレ情報が含まれているため、閲覧にはご注意ください。
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『パラサイト』ネタバレ考察/石に込められた意味は2つ

ギウの友人・ミニョクから貰った山水景石には2つの意味合いが込められていると思います。

  • ギウ視点では…半地下暮らしから抜け出したいという希望の象徴
  • 監督の視点では…分不相応の象徴

それぞれの考察を解説しましょう。(ネタバレ情報が含まれているので注意してくださいね)

考察/ギヴから見た石の意味…「貧困から抜け出したい」という希望の象徴

キム家が暮らすのは、韓国における貧困層の象徴である「半地下の家」です。

そんな家に住むキム家の長男・ギウは富裕層の友人・ミニョクから山水景石を貰います。

友人から富をもたらす教えてもらいますが、ギウの母は食べ物でないため全くの無関心。

 

しかし、ギウは違います。半地下の家には相応しくない石に興味を示します。

家族の中で一番半地下暮らしの現状を打開したいと考えていたのではないでしょうか。

そのため、ミニョクからもらった富裕層の趣味のアイテムに興味を抱いたのだと思いました。

 

その後、富裕層のパク家にギウが家庭教師として働くのを境にパク家へのパラサイトを開始。

家族全員の就職が見事(?)決まり貧困から抜け出せそうになります。

「富をもたらす」という友人の言葉もあり、ギウはあの石に希望を見出していたのでしょう。

考察/ポン・ジュノ監督が描いた石の意味…「分不相応」の象徴

劇中の登場キャラのギウにとって、あの石は希望の象徴だったと思います。

しかし『パラサイト』の監督はあの石に「分不相応」という意味を込めていた気がしますね。

理由は「半地下の家にあった額縁」と「物語の後半の描き方」にあります。

半地下の家に飾られた「安分知足」の額縁

壁にかけられている『安分知足』

半地下の家の壁をよーく見ると「安分知足」という額縁が飾られていました。

安分知足とは「現在の自分が置かれた境遇に満足し、不平不満を抱かないこと」という意味。

カンタンに言えば「分相応の生き方をしないさい」というメッセージですね。

 

恐らく「安分知足」ギウの父・ギテクが作った家訓だと思われます。

ギテクは昔台湾カステラで独立を試みた結果、借金を抱えていたことが判明しましたからね。

高望みをしたことで人生が転落した経験から戒めの意味を込めて飾っていたのでしょう。

 

しかし、ギウがパク家の家庭教師になってからは「安分知足」とは逆の行動を取り始めます。

今の生活から抜け出したいという思いからキム家は嘘を塗り固めてパク家に寄生しました。

「安分知足」のアンチテーゼとしてあの石には「分不相応」の意味があると思いましたね。

パラサイトをきっかけに起きた悲劇の結末

パラサイトを始めたキム家ですが、物語の後半でパク家の前家政婦に秘密が露呈。

その結果、前家政婦の夫にキム家の長女は殺され、ギテクはパク社長を殺害してしまいます。

分不相応な生活を望んだ結果、キム家はパラサイト前の生活より悲惨な状態になりました。

 

「安分知足」の教えを守らなかったキム家に天罰が下ったとも言える展開です。

こうした点を踏まえると監督はあの石に「分不相応」の意味を込めていた気がします。

貧困層の家に富裕層の品がポツンと置かれている構図自体、分不相応を表していますしね。

『パラサイト』ネタバレ考察/ギヴが石を持ち出した意味

次に考察するのは映画『パラサイト』の中盤、大雨で半地下の家が水没しかけるシーン。

水没が始まっている半地下の家でギウはわざわざあの山水景石を持ち出しました。

なぜ彼はあんな行動に出てしまったのでしょうか。他に持ち出すアイテムはあったはずです。

考察/石を水没させたらもう貧困から抜け出せないと思った

結論から言えば、あの石を水没させたら貧困から抜け出せないと思ったからだと考察します。

ギウはあの石を現状を変える希望の象徴として捉えていました。

そのため、あのまま水没させたらもう貧困から抜け出せないと思ったのではないでしょうか。

 

大雨のシーンの時点で前家政婦に秘密がバレてしまいギウ達の立場は危うくなっています。

そうした中追い打ちをかけるように本当の我が家・半地下の家が水没しているワケです。

「希望の象徴であるあの石だけは何としても守らないと!」という心理があった気がします。

『パラサイト』ネタバレ考察/石が離れないと言った意味

次に気になるのは大雨で避難した会場にてギウが父に「石が離れない」と言ったシーンです。

個人的にこの意味深なシーンであの石にはメタファーの役割があるのだと気づきました。

なぜ彼はあんな台詞を言ったのでしょうか。その意味を考察していきます。

「貧困に戻りたくない」という強迫観念がそうさせた

あの台詞の背景には「貧困に戻りたくない」というギウの強迫観念があったと考えます。

パク家の前家政婦に秘密がバレてしまい、逃げるようにパク家から出ていきました。

しかし、帰るべき家は大雨で水没してしまいほとんどの財産を失っています。

 

ギウとしてはパラサイトで得た生活を手放したくという思いが強くなったハズです。

手放したら、半地下の家すら失った貧困という現実の中で生きないといけないワケですから。

ギウにとっては何としてもパラサイトで得た生活に戻りたいと考えていたと思います。

 

そのため、希望の象徴である石を手放すわけには行かないと思ったのではないでしょうか。

手放したら貧困の世界に甘んじることになると潜在意識の中で恐れていたのかもしれません。

こうした背景から「石が僕から離れない」という意味深な台詞が出てきたのだと思いますね。

『パラサイト』ネタバレ考察/「朝鮮文化」と「石」の関係性

ちなみにこの記事を書くにあたり韓国人は石に特別な思いを寄せやすいのか気になりました。

そこで朝鮮文化を調べたのですが、面白いことがわかりました。

映画『パラサイト』で石をメタファーに使ったのは朝鮮文化ならではなのかもしれません。

朝鮮は石の国と言われるほど文化的に「石」と関わりが深い

調べによると朝鮮半島は古くから石の国といわれていたのだとか。

これは朝鮮半島の自然に由来します。朝鮮半島も日本と同様、国土の7割が山地面積。

しかし日本の山と違い岩が多いのだそう。韓国と北朝鮮の国境付近にある山も岩盤山脈です。

北朝鮮と韓国の国境付近にある金剛山

朝鮮の人々は岩の上に街を作り、岩山を見上げて暮らしてきたといえるそうです。

木より石が採りやすいこともあり、古くから家の建材として石が多く使われていたのだとか。

石を身近に感じる暮らしをしてきた歴史があると言えます。

 

こうした背景を踏まえると、あの山水景石に特別な意味が込められているのも納得です。

石を用いたメタファーは韓国映画だからこその味と言っていいのかもしれません。

以上、MOVIE RUNNERの映画『パラサイト』考察特集第一弾でした。

ポン・ジュノ監督作品の『スノーピアサー』なども面白い

ちなみにポン・ジュノ監督は『パラサイト』以外にも格差をテーマにした作品を作ってます。

それが2013年に公開された『スノーピアサー』というアメリカ映画。

 

『パラサイト』が格差×ブラックコメディなら『スノーピアサー』は格差×SFアクション!

主演はキャプテン・アメリカを演じたクリス・エヴァンス。地味にすごいです(笑)

 

映画の舞台は、氷河期を迎えた近未来の世界で人類が唯一生存可能な列車。

列車の中では上流階級が貧困層を支配しているというかなり奇抜な設定です。

 

そんな中、貧困層の一人が逆襲する…というのが大まかなストーリーとなっています。

格差テーマにハマった」「ポン・ジュノ作品を観てみたい」という方はオススメです!

 

その他、ポン・ジュノ監督による韓国映画の代表作と言われている『殺人の追憶』も良作。

韓国で実際に起きた強姦殺人事件を基に作られた作品です。

 

陰惨な殺人事件と2人の刑事の軽妙なやりとりが絶妙で魅力を放っていますね。

映画レビューサイト『Filmakers』では5点評価中4となっており高評価を受けています。

 

どれも古い作品ですので、TSUTAYAやGEOとかなら数百円でレンタルできちゃいます。

ただ、できるのならエンタメにお金かけたくないですよね?

 

僕はエンタメ好きですが、エンタメ費は節約してその分食費などに当てています。

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